夫婦で不動産投資~法人設立を目指すサラリーマン大家の記録~

夫婦共働きのサラリーマンです。法人を設立して独立開業することを目指し、夫婦で不動産事業もしています。現在は夫婦とも個人事業主です。

アパートの付加価値を高める3

太陽光発電の導入について

 全量買取制度を利用するか否かというだけではなく、太陽光発電も色々な形態があります。大雑把ですが、発電した電気を入居者の各部屋へ送るという入居者還元型と、そのまま全て(または余剰電力)を電力会社へ売るという設置者還元型でしょうか。私の場合はCCに設置して後者にしていますが、共用部廊下や外灯の電気料金は入居者からもらっていませんので、実質はこの分の負担軽減という感じです。

 太陽光発電システムの導入費については利回り10%程度でした。買取価格の優遇も10年ですので、正直現金でやらなければ得はない感じがします。ローンを組んで金利負担をして全量買取制度を利用して20年間という長期間で考えている方も多いですが、維持費もかかるのが現状です。

 現状ですが、設置料金はかかりましたが毎月の電気料金は全ての物件分を合わせても太陽光発電から得られる売電料金でまかなえています。設置した時は42円/kWhで余剰電力を買い取ってもらえる条件でしたが、10年後はどうなるかわかりません。買取価格が下落しても買い取ってもらえればいいのですが、買い取ってもらえなくなるかもしれないというリスクもあります。また、パワコンの交換も必要になってくると思います。

 最近は大容量の太陽光発電を設置している方も多いですが、この場合も20年後に買取制度がどのように変わっているかは未知な部分です。また、パワコンの寿命が10年程度であったり、設備投資もそれなりにかかることを覚悟しなければなりません。元を取ったとしても撤去に莫大なお金がかかるのであれば問題がありますよね。

 

全量買取制度を利用した太陽光発電投資の問題点

 二束三文の空き地を手に入れて安く設置するのが基本だと思いますが、最終処分に困ることも考えられます。20年先に全量買取価格が下がってもそのまま太陽光発電所として成り立つのであれば問題は無いのでしょうか。

 ただ、意外と維持管理費がかかって苦労している人もいるようです。多いのは雑掌対策でしょうか。躯体の高さも低くしてコストを抑えている分、雑草の高さがパネルまで到達して草刈りをしなければならなかったりもあるようです。防草シートを貼るという手もありますが、これもコストがかかります。

 また、北国ですと雪対策でしょうか。特に豪雪地帯だと除雪費に膨大なお金がかかることも考えられます。パネルからの落雪は屋根下にたまる雪と変わらないですので、これを撤去するのは自力では大変そうですね。

 最終処分の出口ですが、これも土地として価値が無いので住宅として売却できるとは思えません。20年後のエネルギーがどのように変化しているかなんて今のところ誰も予想がつかないのではないでしょうか。まさか、20年前に原子力発電から再生可能エネルギーへ転換するなんて予想していた人はいないですよね。

 私が自宅としてMAを建築した時期はオール電化はそれほど普及しておらず、暖房は灯油でIH併用という家庭も多くありました。それからすぐにエコキュートや深夜電力を利用したオール電化へ移行し、太陽光発電を併用した住宅ももてはやされるようになりました。今では電気料金の値上げでエコジョーズを利用したオールガスに注目が集まっています。この先がどのようなトレンドになるかは予想がつきにくいですね。

 東日本大震災前年の2010年度の家庭用の太陽光発電の買取価格は48円/kWhで、震災後から20年間全量買取制度なども後押しして急速に普及させていますが、全て促進金という形で電気料金に跳ね返ってくる制度ですので、これからは恩恵はどんどん小さくなって行き負担も増していくでしょう。