夫婦で不動産投資~法人設立を目指すサラリーマン大家の記録~

夫婦共働きのサラリーマンです。法人を設立して独立開業することを目指し、夫婦で不動産事業もしています。現在は夫婦とも個人事業主です。

ハウスクリーニング費用は誰の負担?

 最近は大家さんに不利になる条件が多いですね。私が一番納得の行かないのがタバコのヤニによる壁紙交換が、経年劣化と同じ扱いをされる点です。管理会社の方と退去時の点検をするのですが、タバコの吸っていない部屋では壁紙交換が全く必要ないと判断して頂き、ハウスクリーニングだけで済んだことも多々あります。反面、1年程度の入居でタバコのヤニで部屋の壁紙が黄色がかってしまい、交換を余儀なくされたこともあります。使用年数によって負担割合も変わってきて、先日のCPの際は約2年ということで入居者7割、大家3割という負担割合になりました。タバコを吸っていなければ壁紙交換費用なんてお互いに発生しなかったんです。これでも生活汚れということで大家も負担が強いられます。これって、タバコを吸って汚した入居者に明らかに責任があると思うんです。100%大家負担ではないということで経年劣化で過失割合が決められているのでしょうが、退去の度に壁紙交換費用を負担させられてはたまりません。その分家賃収入があるだろと言われても、それはお門違いというものです。

 

 先日の大家の会で、退去時のハウスクリーニング費用の話題が出ていました。基本的にはハウスクリーニング費用は大家負担ということなのですが、私の物件ではハウスクリーニング費用は入居者負担という特約条項が付されています。多くの契約がそうなっていると思われるのですが、この特約に関わらず大家負担を主張されたら大家が負担しなければならないという話だったのですが、どうなのでしょう。中にはハウスクリーニングが必要ないくらい綺麗にして退去される方もいるみたいですしね。調べたら次のように報告されていました。

ハウスクリーニング費用は借主(入居者)負担?

 ハウスクリーニングについての特約があった場合、特約についての有効性が問題となりますが、過去の判例によると、以下(1~3)のすべてを満たせば、特約は有効とされています。

1:ハウスクリーニングを行う必然性があること(専門業者に依頼しなければキレイにならない)。

2:契約書等でハウスクリーニング費用を借主(入居者)が負担する旨が明記されていること。

3:借主(入居者)がハウスクリーニング費用を負担することを理解し、了承していること。

  まず、2については契約書に明記されているので問題ありませんし、1についても「汚い」と言われれば仕方がないと思います。しかし、3についてはどうなのでしょう。「ハウスクリーニング費用なんて負担しない」と言ってくる人って3の条件は満たさないってことですよね。契約書に書いてあって署名捺印していても、過去の判例に従えば、入居者が払わないって言えば払わなくて済むってことですよね。こんなことがまかり通るのであれば、契約書なんて意味無いってことになります。汚い部屋を放置して貸すわけには行きませんので、仮に3のようにされたら結局は大家が負担するしか無いってことでしょうか。

 

 世の中は狂っていますね。入居時の契約を交わしていても、入居者がクレームを付ければ大家が不利になるなんて、本当におかしいです。極端な話ですが、銀行に金利を払わないってゴネれば、払わなくて済むなんてことはないですよね。まあ、金返せと言われるか、担保を根こそぎ持って行かれるのが落ちですが、退去する人は「立つ鳥跡を濁さず」で契約書通りに退去処理して頂くのがお互いに気分がいいと思います。ちなみに私の物件については今までこのようなクレームが入ったことは一度もありません。

 

 敷金の返金についても誤解があるようでした。別に修繕費やハウスクリーニング費用を敷金から勝手に差し引いているわけではありません。あくまでも敷金は預り金です。2年以内の退去であれば解約違約金として大家が受け取ります。仮に敷金を払っていなくても、2年以内の退去であれば解約違約金を請求します。2年以上の入居であれば敷金はお返しして、修繕費やハウスクリーニング費用は別途頂くことになります。敷金で不足している分は当然請求します。もちろん、敷金を預かっていなければお返しするお金はありませんし、修繕費やハウスクリーニング費用はしっかり頂きます。敷金は礼金とは性質の違うものですので、あくまでも預り金に過ぎません。トータルでかかる費用は先に納めようが、後から請求が来ようが一緒ということです。敷金から差し引いて返金することが問題と言っていましたが、別に敷金は全額お返しして後から修繕費を請求しても構わないんです。形上は相殺処理しているだけで、トータルでかかる費用は一緒ということをしっかり理解して欲しいですね。

 

 なんかこういう認識の人が大家仲間にいて、情報提供とか語られるのはがっかりします。宅建持っていてベテランだからいいってものじゃないですね。管理会社はしっかり説明責任を果たして入居者に納得して頂くのが仕事です。そうでなければ管理委託する意味なんてありませんし、大家側からクレームを付けられ管理委託契約も破棄されます。

 

 管理会社任せで自動的に処理されていることですので私が無知なだけかもしれませんが、全て「契約」に則ってやっていることです。また、ガイドラインに従って、タバコ汚れさえ無ければ本来は交換する必要の無い壁紙交換費用の負担も、経年劣化割合分は負担しているわけです。それを上手く利用してアクセントクロスの交換費用を抑えているのは認めますが、現状通りに回復したとしても入居者の負担金額は変わりませんので文句を言われる筋合いはありません。大家は納得が行かなくてもガイドラインに従うしかありませんし、仮に入居者が払わなければ大家が何とかするしかなくなります。家賃滞納だってそうです。世の中は大家が不利になるようにできているんですね。その中でいかに有利に持って行くかが経営者としての勝負どころです。