夫婦で不動産投資~法人設立を目指すサラリーマン大家の記録~

夫婦共働きのサラリーマンです。法人を設立して独立開業することを目指し、夫婦で不動産事業もしています。現在は夫婦とも個人事業主です。

儲からない新築不動産投資

賃貸併用住宅の基本的な考え方

 私は新築不動産投資中心にやっていますが、本格的にやりだしたのは5年前です。将来的なデッドクロスも考えられますが、基本的にマイナスのキャッシュフローになって持ち出ししているようであれば投資をする意味はありません。

 首都圏などにマンションを購入して賃貸をしている方もいます。住宅が買えるくらいの巨額な借金をしてマンション1戸を所有して賃貸しているという方も多いですね。私にもそのような話はいくつか来ましたが、全てお断りしています。

 仮に2,000万円のマンションを購入して月10万円の家賃で賃貸できたとして、表面利回り6%です。実際は5%台で運用をしている方も多いのかもしれません。ここからさらに管理費などが引かれますので、ローンの支払を考えると手残りはほぼゼロかマイナスという感じでしょう。2.5%の金利で2,000万円の借り入れをして30年ローンを組んだとして、月支払いは約8万円です。30年間この家賃設定で行けるわけもありませんし、空き室になれば即持ち出しです。

 ちなみに私が当初自宅として所有していた賃貸併用二世帯住宅は、2戸とも貸している現在でも当時の建築総額に対しての家賃設定で計算すると表面利回り6.8%程度です。とても褒められる投資ではありません。ただ、首都圏マンション投資と賃貸併用物件所有には考え方に大きな差があります。

 首都圏マンション投資はあくまでも投資ですが、賃貸併用物件は賃貸から得られる家賃で住宅ローンを支払い、さらに願わくばキャッシュフローも得るという方法です。最終的には自宅として使っていた住居スペースも賃貸に回すのが理想的です。中には次に所有する物件も賃貸併用という形で運用する方もいます。賃貸併用とは違いますが、手頃な中古戸建て物件を移り住むヤドカリ戦法を取る方もいます。

 私の場合も家賃は住宅ローンの補填にはなりました。ローンを組んで一軒家を建てれば、本来的には給料から全て支払うべきローンを家賃で一部肩代わりでき、さらに今は賃貸物件として2戸とも貸していますので、建築当初の目的は達成しています。投資的には住宅ローンを支払うことで賃貸物件から得た利益を全て使っていますし、賃貸物件から得た利益で住宅ローンを全額支払えずに家計から持ち出ししていますので失敗という見方もできます。

 当時は特に不動産投資という考えはありませんでした。賃貸物件と一般住宅との差もわからず、私達家族が住むことを前提として完全住宅仕様で建築したことが大きく影響していますが、失敗したとは思っていません。内部仕様は賃貸仕様で作られた物件には絶対に負けません。実際、現在も新築当時の家賃設定で高稼働率を維持している優良物件です。ただ、私のように持ち出しになるのが前提という賃貸併用二世帯物件での不動産投資は決してお勧めできる方法ではありません。

 ただ、この物件を持って言えることは新築から10年程度では修繕費なんてそれほどかからないということです。一番かかったのはメンテナンスも兼ねた大規模修繕でしたが、1年間の家賃程度の蓄えがあれば十分な程度です。備えは必要ですが、一番大切なのは高稼働率で回すことです。そうすれば家賃下落も避けられます。

 

それなりのキャッシュフローはあります!

 普通の新築アパート建築では、ローンを支払い手元にキャッシュが残るように計画するのは当然でしょう。どの程度の金額を手元に残すのかは返済比率に左右されます。支払期間を長く取れば返済比率は低くできますが、ローンの金利負担が大きくなることを意味します。表面利回りが低くても返済期間を長くできれば、金利を払っても支払いの負担は軽減できるという考えもあります。

 問題はこの得られたキャッシュをどうするかです。使ってしまうのか蓄えておくのかで、その後の展開も変わってきます。賃貸併用二世帯住宅程度であれば、家計とトータルしてそれなりに蓄えがあれば問題にはなりません。ただ毎月返していればいいというものではなく、規模拡大を考えるなら次の投資資金としてそれなりに積み上げられている資金があることを見せる必要もあります。また、将来の修繕などに備えて積み立てておくことは非常に大切です。基本的には「使えないお金」と考えるべきでしょう。そういう意味では、新築不動産投資は儲からないと言っておいた方が賢いと思います。