評価って一体何なの？

　私が小さかった頃は、通知表の成績なんてテストの点数がほぼ全てだったような気がします。極端な話ですが、授業中に寝ていようが、テストさえ点数が取れていればいい評価がもらえました。先生にとっても教えたことが理解されたという結果が出せればいいと思うんですよ。別につまらない授業を聞いていなくても、教えた範囲の内容を自力であろうが塾に通おうが理解されていれば、その生徒にとっては不都合なんてありません。これを「授業態度が悪いから」と言って成績を下げるなんてナンセンスですね。授業を聞いてもらえなかったことに対する逆恨みでしょうか。聞いてもらいたかったら、聞いてもらえるように努力しないと、誰も聞くわけないじゃないですか。

　小学校４年生の次男の通知表ですが、図工以外は全てＡ評価でした。確かに全ての授業も積極的に発言するなど意欲的に取り組み、テストの点数もかなりよく、家庭学習などの地道な努力もしています。天才的というよりは真面目にコツコツと努力をして確実に成果を上げる優等生タイプと評価されるのは当然という感じです。一生懸命やっていることをアピールできる優等生（本人はアピールしている気持ちは無く、普通に振る舞っているだけ）は先生から気に入られますので、当然ながら平常点も高くもらえるわけです。

　それに対して小学校６年生の長男の通知表ですが、社会以外は散々たるものでした。Ｃ評価こそ付いていませんが、半分くらいＢでしょうか。中でも「意欲・関心」が社会以外すべてＢだったのが目に止まりました。テストの点数は国語の漢字テスト以外はそれなりに取っていますが、授業態度は決して褒められたものではありません。妨害するわけではありませんが、意欲的に取り組んでいる様子も見られませんし、やりたくないことは面倒がってなかなか取り組まなかったり、人の話を聞く態度も悪いのですが、そのくせテストの点数はそれなりに取るので、先生からすると嫌なタイプだと思います。でもねぇ、それでＢが多いというのはどうも気に入らないですね。「意欲・関心」が低いのははっきり言うと先生の責任だと思うんですよ。少なくとも３・４年生の時はそんな評価をされたことはありません。５年生になって担任の先生が変わってからですよ。先生が変われば評価も変わるなんて、最低じゃないですか。態度が悪いのは事実でしょうし、小学校の頃からそういう姿勢で物事に取り組んでいるのはよくないと思いますので、そう評価されても今の時代は仕方がないと思うのですが、「意欲・関心」なんて本人しかわからない部分も多いのではないでしょうか。彼は彼なりに一生懸命やっているのでしょうが、それが全く評価されないってことですから、やる気も削がれるというものです。

　結局、これは社会の縮図でもあるんです。会社で能力別評価を導入し、上司が変われば評価が変わるみたいなことって無いでしょうか。今までは信頼できる上司で意欲的に取り組めたけれど、変わった上司と馬が合わずにやる気が出ないみたいな感じですね。その中でも器用に振る舞うことができて、上司に媚を売って気に入られた人が高評価を得られて査定も高くなるんです。仮に上司と敵対関係にある人の方が能力的にも高くて成果を上げていても、そこそこ仕事をして上司に媚びを売るのに全力を上げている奴の方が評価が高いなんて、あまりにも馬鹿馬鹿しいです。

　正直言って仕事なんて成果さえ出せればいいわけで、そこに上司に気に入られるだとか関係ないじゃないですか。クライアントに気に入られなければそれなりの成果しか出ませんが、上司に対して反逆しようが会社にとっては業績が上がればいいはずです。何で会社内の人間の顔色を伺って仕事しないと駄目なんでしょう。今の世の中は何か間違ってます。

　学校の評価の中に「平常点」というものがありますが、まさにこれが先生に気に入られるかどうかの象徴じゃないでしょうか。宿題をしっかりやっているか、家庭学習をしっかりやっているか、これくらいは仕事以外の積極性としては評価されても当然だと思いますが、授業中に発言しているかなどは積極的に発言できるタイプもいれば大人しく発言できないタイプもいるなど、色々と「個性」があると思うんですよ。これを先生の個人的な感性で評価するような「観点別評価」は今の時代の悪しき象徴だと思いますね。結局、いい意味で目立つ人が評価されて、大人しくコツコツ取り組んでいる人は評価されないだけじゃなく、ちょっと変わったことをやったら潰されるんですから。こうやって潰された結果が、今の評価なんだとしか思えないんです。

　何でみんなと同じじゃないと駄目なんですか？みんなと外れた性格は害なんですか？先生にとって不都合なだけじゃないですか？

　まあ、社会的に外れている私が勝手に感じていることですが、この辺を上手く立ち回れないと、絶対的に損するんですよね。馬鹿みたい。