夫婦で不動産投資~法人設立を目指すサラリーマン大家の記録~

夫婦共働きのサラリーマンです。法人を設立して独立開業することを目指し、夫婦で不動産事業もしています。現在は夫婦とも個人事業主です。

先輩新築大家さんに学ぶ

物件単独の収益で考える

 新築アパート投資の場合、初期段階としての物件所有棟数は1棟という場合が多いでしょう。規模の大きさはともかく、巨額なローン1本を返済していくケースが多く、まずはここから得られる収益でローンの完全返済まで持って行くにはどうするかを考えることが大切になってきます。仮に20年ローンであれば、家賃下落などを想定してデッドクロスにならないように調整しながら計画していきます。元金均等返済を取るのも一つの手です。返済比率を上げても短期間ローンにして負担を軽減するという方もいます。

 20年間の元利均等方式でローンを組んだとしても、20年間かけてローンを完全返済できればいいという考え方をする人もいれば、その間の蓄えには一切手を付けずに、蓄えた資金を最後に一括で繰り上げ返済をして返済期間を短くするのがいいと考える人もいたりと様々です。私は後者を狙っていたわけですが、棟数が増えてくると考え方も変わってきます。

 表面利回り10%の物件は、運用が上手く行っても物件購入価格まで回収するのは10年以上かかります。この物件単独であればおそらく15年以上はかかるでしょう。でも、投資資金の回収はもっともっと早いはずです。フルローンで購入できれば、初期投資した自己資金なんていう概念すらありません。どんな物件を買っても投資利回りは無限大ですから、投資利回りを考える意味は無くなります。

 物件単独で見れば完全返済まで10年以上かかる計画であったとしても、2棟分・3棟分の家賃を集中させれば、始めに持った1棟の完全返済までの期間は早くなります。複数棟所有してある物件をターゲットに先に完全返済してしまうことで、キャッシュフローの増加も図れますし返済比率の改善にも繋がります。ローンと付き合いつつ、キャッシュもしっかり確保することが大切です。

 何れにしてもトータルで考えた利回りから計算する返済期間は短くはできませんので、儲かる間に売却を考えるというのも防衛手段の一つとしては考えていかなければなりません。

 

所有物件全ての収益で考える

 前者の考えに従って実行している方は、表面利回り12%程度の物件を所有したとして、完全返済までかかるであろう13年程度はひたすらキャッシュの積み上げに徹するだけで、全く不動産投資からの恩恵は受けられません。フルローンでやっている場合は元々投資したお金なんて無いわけですから、13年後には無借金となりさらにこの物件から得られるキャッシュフローがあるというのは大きいですね。

 仮に1棟13年間のローン返済期間がかかったとしても、ここで無借金状態となります。その時点で同条件の物件をフルローンで購入できたとして、2棟目は完全返済まで7年程度で済んで20年後には2棟無借金状態という計画も考えられます。

 ここまで持って行くのに20年です。期間を縮めたければもっと棟数を増やせばいいと思うでしょうが、所得税などの関係もありますので一概に個人で増やすのがいいとは言えません。

 私の場合、当初はこの考えに従っていましたが規模拡大の機会も伺っていました。規模拡大は順調に行っていますが、次の課題は返済比率の改善とキャッシュフローの安定確保で、デッドクロスを避けるようにコントロールしなければなりません。

 まずは全ての物件から得られる収益を束ねて、一つのローンをターゲットにして一本ずつ完全返済して行くことで、ローン負担を徐々に軽減していこうという目標でやっています。

 このローンについても今まではアパートに対するローンしか頭に無かったのですが、最終的に不動産投資資金から負担をすることになる住宅ローンも見ながら、私個人の名義で持つ借金全てにターゲットを合わせています。

 もちろん物件を増やすことも考えますが、無理はしません。まずは返済比率を下げつつ全体的なキャッシュフローの増加をさせる最良の方法を考えて計画実行していきます。

 アパートを新築で所有してから20年以上運用している先輩大家さんは、ローンの完全返済も終わり、このアパートから入ってくる収益も次の物件の返済に集中させることができるようです。仮にスタートがフルローンであれば、ローンが終わって手残りがあれば全て不動産投資から得た利益ということになります。これを次の不動産購入にあてたとしても、投資で得られた利益をあてただけです。

 表面利回りと言ってもあくまでも物件価格に対する家賃収入というだけで、投資資金も回収してローンも終わってしまえば、物件を所有している間は特に大きな意味のない数字になります。この方の場合、新築したアパート自体の利回りは7%程度なのに、トータルの家賃収入で考えれば5年くらいで完全返済できるという話でした。つまり表面利回り7%の物件でも実質利回り20%で運用できてしまうということです。これこそが複利の力ですね。